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2025年の大阪・関西万博にてバーチャル万博の運営業務を受託

世界中からアクセス可能
時空を超えて楽しむバーチャル万博

2025年4月13日から10月13日までの184日、約半年に渡って開催される2025年日本国際博覧会(以下、大阪・関西万博)。現在、大阪に浮かぶ人工島・夢洲(ゆめしま)会場と同時に、オンライン空間上でのバーチャル万博の準備も着々と進められています。5月からは「一般参加催事」の2次募集もスタート予定。開催まで1年をきった今、どんな思いを持って、どんな万博をめざすのか。2025年日本国際博覧会協会でバーチャル万博を担当されている藤村健一氏、福田有紀氏と、バーチャル万博事務局を務めるJTBコミュニケーションデザイン(以下、JCD)の中根永依子、瀧川裕美が語り合いました。

藤村 健一 氏公益社団法人2025年日本国際博覧会協会
ICT局ICT部バーチャル課 参事
藤村 健一 氏

福田 有紀 氏公益社団法人2025年日本国際博覧会協会
ICT局ICT部バーチャル課 課長代理
福田 有紀 氏

中根 永依子株式会社JTBコミュニケーションデザイン
エリアマネジメント部 交流推進第二事業局 リーダー
中根 永依子

瀧川 裕美株式会社JTBコミュニケーションデザイン
エリアマネジメント部 交流推進第二事業局 マネージャー
瀧川 裕美

社名・肩書きは2024年5月時点のものです。

  1. 大阪・関西万博の概要・コンセプト紹介
  2. 中小企業・団体、個人も万博に参加できる
  3. 「空飛ぶ夢洲」での「バーチャル万博」とは
  4. 「バーチャル万博」にむけて
  5. それぞれの大阪・関西万博の理想像

1 大阪・関西万博の概要・コンセプト紹介

――登録博覧会としては2005年「愛・地球博」以来20年ぶりの日本開催、「太陽の塔」に沸いた万博からは55年ぶりの大阪開催となる今回の大阪・関西万博。概要やテーマについて、改めてご紹介いただけますか。

藤村氏
いよいよ来年に迫った大阪・関西万博は大阪市内の臨海部に位置する夢洲で開催します。海に囲まれた会場での万博は史上初の試みでして、瀬戸内海の美しい景観をお楽しみいただけます。現在、想定している来場者数は約2,820万人。161の国と地域、9の国際機関が参加表明をしています。期間中には各国のパビリオン、13の民間パビリオン以外にもイベントやパフォーマンス、セミナーなどの多彩な催事が、日替わりで行われる予定です。

福田氏
大阪・関西万博が掲げる「いのち輝く未来社会のデザイン」というテーマは、未来の社会や生活に向けてのデザインや構想を探求することを意味しています。一人一人が、自らの望む生き方を考え、そうした生き方を支える持続可能な社会に向かって、国際社会が共創していくことを目指しています。

藤村氏
近年、AIやバイオテクノロジーが発展しているにもかかわらず、社会課題はなくなることはありません。そんな今こそ、テクノロジーを駆使して行動を起こすべきだと考えます。高度経済成長を象徴する1970年の大阪万博は「こんな未来になるだろう」という未来予想型の万博でしたが、2025年の大阪・関西万博は課題解決型の万博とも呼ばれています。

福田氏
課題解決型でもありますし、「大阪・関西万博を活用して、新しいモノ・コトを生み出したい」と願うあらゆる人が参加できる、参加型の万博でもあります。課題を解決したい人と、解決に導くリソースを持っている人が一緒に取り組める、そんなプロジェクトやイベントが多数あります。催事参加に関しても、企業だけでなく個人の参加枠もありますし、人と人がつながり共に創り上げる万博にしたいと思っています。

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2 中小企業・団体、個人も万博に参加できる

――企業・団体と個人、これからでも応募できる企画があればお教えください。

藤村氏
企業・団体の参加に関して、パビリオンは全出展者がすでに決定していますが、今からでも参加していただけるものも多数あります。例えば、会場整備や運営に必要な物品や技術、サービスをご提供いただく「会場整備参加」や「運営参加」。「うちの会社で製造した座り心地のよいベンチを会場に置いてください」「優秀な人材がいるので交通整理させてください」「貸し出せるカメラ機材があるので、現場の記録に使ってください」など、専門分野やスキルを活かして参加していただけます。また協賛していただいた物品などは、企業名やロゴなどを表示した状態で使用できますので、大阪・関西万博を、ひとつのプロモーションの場としてご活用いただけます。

福田氏
そのほか、会場内に飲食・物販店舗などを出店していただく「営業参加」という方法もあります。美味しいものを食べる、関西らしいお土産を探す...来場者に楽しい時間を提供して大阪・関西万博を盛り上げたい!という企業・団体の皆さまにご参加いただければと思います。

瀧川
個人で参加できるものといえば「TEAM EXPO 2025」プログラム、5月から2次募集開始予定の「一般参加催事」に注目いただきたいですね。

藤村氏
すでに始動している「TEAM EXPO 2025」プログラムは、SDGsを柱に置いた課題解決型のプログラムです。とはいってもカーボンニュートラル、なんていう大きな課題でなく、すぐそこの未来に直結する小さな光を見つけてもらう、そんな身近な活動を応援します。チーム独自の課題とその解決策を応募いただき、実際どんな結果につながったのを報告していただきます。これまでの事例はHPに掲載していますので、ぜひ参考にしてみてください。

福田氏
「一般参加催事」は、個人・団体問わず幅広い皆様に心揺さぶるエンターテインメントで自分を表現し、つながりを生み出せるイベントを募集しています。夢洲会場の催事施設で行う催事のほか、バーチャル万博として展開するメタバース空間内のバーチャル催事場での催事展開も可能です。
お祭り・音楽コンサート・ダンスなど様々な形態・ジャンルの皆さまのご応募をお待ちしています。

中根
自分の好きなことを起点に考えるのもいいと思います。例えば、普段、趣味でゲーム開発をしているからと万博をテーマにコンテンツを制作し応募してみたら、採択されるかもしれない。万博の場で自分が主役になるチャンスなんてめったにありませんよね。「一般参加催事」は本当に幅広いジャンルを網羅できる、開かれたイベントだと解釈しています。

瀧川
これからの未来を担う学生さんやお子さんが主役になる、教育関連の催事も「いのち輝く未来社会のデザイン」というテーマにぴったりです。万博での出会いや気付きは一生もの、大人になっても忘れることのない体験になるでしょうね。

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3 「空飛ぶ夢洲」での「バーチャル万博」とは

――今日お集まりの皆さんが尽力されているバーチャル万博について、詳しく知りたいです。

藤村氏
コロナ禍の影響で1年延期となり、2021年に開催されたドバイ万博で史上初めてのバーチャルEXPOが行われましたが、パビリオンの内観の作り込みまではありませんでした。今回は、リアルな夢洲会場にあるものすべてをバーチャル万博の会場で再現する予定です。

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――バーチャル万博にはどうやって入場するのですか。
藤村氏
オンライン空間上に3DCG(メタバース)で夢洲会場を再現し、スマートフォンやパソコン、ヘッドマウントディスプレイなどのアプリケーションとして展開します。ユーザーにまず行っていただきたいことは、バーチャル万博アプリのダウンロードです。バーチャル万博に入場したらアバターを操作してバーチャル会場の散策が楽しめますし、パビリオンの展示やシンポジウム、催事を無料で観覧できます。

福田氏
バーチャル万博のコンセプトは「空飛ぶ夢洲」。無料のアプリをダウンロードさえすれば世界中からアクセスできて、時間も距離も超え、世界中の人が集えるのはバーチャル万博の大きなメリットです。移動が難しい方、高齢の方、遠方の方など、これまで物理的にリアル会場に行けなかった方々に、万博の熱気を感じていただきたいです。

――バーチャル万博への催事参加を検討中の方に向け、リアルとバーチャルの連携について教えてください。

福田氏
リアルの催事場で実施している催事内容を、バーチャル催事場に設置するスクリーンに投影することは可能です。ただしすべてをリアルと共有しないといけないわけでも、リアル、バーチャルをセットで展開しないといけないわけでもありません。例えば、試食を伴う催事はバーチャルでは実施が難しいのでリアル会場のみで参加をする。自社の3DCD技術を披露したい方は、バーチャル万博のみで参加をすることも可能です。バーチャル催事では、演者にセンサーを取り付け、同等の動きをするアバターにより催事演出を行うなど、バーチャルだけの特殊な演出が可能となります。

藤村氏
バーチャル万博のアプリケーションは世界中に配信します。メタバース空間としては、ここまで多くの出展者や来場者が集える場所は他にないのではないかと思います。多くの来場者をお迎えするため、スムーズにお楽しみいだたくため、様々な準備をJCDさんと一緒に進めています。

――地球的課題を設定して語り合うテーマウィーク、公式参加者が式典や文化イベントを行うナショナルデー・スペシャルデーもバーチャル会場で観覧できるのですか。

藤村氏
テーマウィーク、ナショナルデー・スペシャルデーは万博の根幹となるイベントです。できるだけバーチャル万博でもこれらの映像を投影しようと予定しています。国によってはVIPがいらっしゃってお話されることもあるでしょうし、家にいながら、世界各国のトップのお話を聞き異文化に触れていただけます。

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4 「バーチャル万博」にむけて

中根
藤村様と福田様とJCDとは昨年春から、もう1年以上のお付き合いになりましたね。

藤村氏
バーチャル万博事務局の公募時に提出いただいた資料を拝見して、国際的な大会やイベントを数多く成功に導かれていることは一目瞭然でした。バーチャル万博に関する業務の中でも特に、外国語対応の面で強力なサポートをしていただいています。協会側にも語学堪能な人材はいるのですが、英語での資料作成のほか、参加者との面談、メールでのやりとりなど、仕事量に対してマンパワーが追いつかない状況を予想していました。そのパートをしっかり担っていただけて、絶大な信頼を寄せております。

福田氏
本当にそうですね。国際対応の面で多大なお力添えをいただいています。バーチャル万博の細かなルールを設定し、運用の手順などを参加者にお伝えしていく業務において、マニュアルやスキームをしっかりご理解いただき、的確な英語表現に変換してくださっているJCDさんの存在は、とても大きいです。現在、私はスキーム構築を担当しているのですが、参加者のご対応をいただいている観点から、スキームに関するアドバイスまでいただけて、ありがたく感じております。

中根
実は、私は2005年「愛・地球博」にも携った経歴があります。その際は、主にパビリオンで働くアテンダントの取りまとめ業務に従事しました。弊社グループとしては、会場外の誘導、パビリオン業務など多岐に渡って、「愛・地球博」の業務に携わらせていただいた経緯があります。現場で培った経験もありましたし、55年ぶりに大阪で開催される万博のお仕事で力を尽くしたい!という思いは強かったです。

瀧川
私が万博との関わりといって思い出すのは、2010年の上海万博の時にツアー業務に携わったことでしょうか。一般の来場者の方々に近い視点で、自らも万博を楽しみながら、協会の皆様を支えていきたいと思っています。

中根
今回の万博での新たな取り組みであるバーチャル万博には、無限の可能性を感じています。そんななか、私自身手探りしながら進める業務も正直あります。けれど、本質的なところではリアルもバーチャルも、私たちがやるべきことに相違はないと考えています。国際会議やスポーツ大会での事務局業務を数多くさせていただき、そこで培ってきた経験は必ずバーチャル万博に反映できるはず。参加者への文面ひとつ作成するにも、経験を活かせる箇所が必ずあります。

――バーチャル催事の参加者に対して、JCDがサポートできることはあるのでしょうか。

藤村氏
バーチャル万博の役割分担として、プラットフォームとパビリオンなどの建物は協会が制作し、内観は出展者が準備することになります。なのでこれから始まる「一般参加催事」の2次募集においても、応募された方々で、具体的に制作する際になって迷いや悩みが生じることは、あるかもしれませんね。

中根
応募して参加の手続きを踏んでもらった後、弊社でバーチャル万博の中でのルーム展開に関する企画提案はできるかなと。制作そのものに関しては協会さんが提携されているサプライヤーリストがありますし、そのあたりのご紹介もワンストップでできるかなと思います。

瀧川
例えばですが「生まれ育った地域の伝統芸能をバーチャル万博でアピールしたいけれど、どんな企画にしたらいいのかわからない」。そんな風に迷ってらっしゃる団体に対して、最適なアウトプットの企画を提案することは弊社の得意分野ですね。

藤村氏
バーチャル万博に関する情報を見ても、正直よくわからない。という声もお聞きします。そういう方に向けたバーチャル催事セミナーも開催する予定ですし、せっかくなら参加しよう!と前のめりになっていただけたら嬉しいと考えています。私自身、放送局出身でずっとエンタメに関わってきた人間ですので、多くの方と楽しみを共有したいと思って今も仕事しています。現場に笑いが溢れていれば絶対プラスαの楽しみが生まれる、そう確信しています。

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5 それぞれの大阪・関西万博の理想像

――現時点でそれぞれが抱えている、大阪・関西万博への想いをお聞かせください。

瀧川
世界各地の参加者や、色々な企業の取り組みを見聞きして、刺激をいただく日々を過ごしています。この業務に携わらなかったら知らないままだった世界がたくさんあるんだなぁと。ついこの間まで画面の小さなスマートフォンを使っていたのですが、最近大きな画面のスマートフォンに買い換えました。来場者としてバーチャル万博を存分に楽しめる環境も万全。事務局の一員としてはもちろんのこと、ひとりの来場者としても開催を心待ちにしています。

中根
藤村さんと同じ、「もう楽しむしかない!」に尽きると思っています。メタバース、アバター、ARなど、バーチャルに関係するいろんな業界の方との出会いは、想像以上に新鮮で学びがあります。おそらく万博が終わったらこのチームは解散するでしょう。それを考えるだけで、すでにもう寂しい。そんな風に思える方々と仕事を通して出会えたことが、本当にありがたいです。

福田氏
個人的には、来場いただいた方がひとつでも気付きを持ち帰れる、そんな万博になることを望んでいます。夢洲会場、もしくはバーチャル会場で、社会課題を共に解決している人たちを見て、「自分ならこういうアイデア出しができる」「自分も誰かと一緒に社会を変えたい」と思えるかもしれない。企業の方は、バーチャル催事への参加を通して、未知なるビジネスチャンスに気づくかもしれない。来場してくださったあらゆる方のより良い未来につながる万博にしたいです。

藤村氏
万博は究極のエンターテインメントだと思っています。私自身、1970年の大阪万博の時は小学校1年生で、何度も足を運びました。自作のスタンプ帳をつくって、パビリオンのスタンプを集めるのがとにかく楽しみだった。その感動を今も覚えています。そんなかけがえのない思い出を与えられるかもしれないこの仕事に、大きなやりがいを感じています。

■公益社団法人2025年日本国際博覧会協会 概要

所在地 大阪府大阪市住之江区南港北1丁目14-16
設 立 2019年1月
U R L https://www.expo2025.or.jp/

エリアマネジメント部 バーチャル万博事務局メンバーと
エリアマネジメント部 バーチャル万博事務局メンバーと

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