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JCD NOW!

JTBコミュニケーションデザインの様々な取り組みをご紹介します。

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JCDの創るプロモーションのカタチ ~西武鉄道様 事例紹介

学生と住民に対して“まちの価値”を発信
江古田キャンバスプロジェクト

地域の新しい価値を創造し、様々な施策を通じて「地域の活性化」を支援するJCDには、観光プロモーションのプロが集結している。コーポレートソリューション部の寺山と大熊は、その強みを活かして地域活性はもとより、さらに先を見据えた観光プロモーションにも力を入れている。JCDが創る新しい観光プロモーションのカタチとは。

まちへの愛着を高めた産学連携プロジェクト
定住促進につながる施策を自主提案

寺山寺山
私たちが所属するコーポレートソリューション部は、企業活動におけるコミュニケーションの提供を通じて、企業価値の最大化と持続可能な社会づくりのお手伝いをしています。主に広告&プロモーション、ミーティング&イベント、HRソリューション領域の専門チームを有し、企業の広報やマーケティング、経営課題のほか、人材育成や組織活性化課題解決等も支援しています。中でもプロモーション第2事業局は、広告&プロモーション領域における経験豊富なチームです。特に鉄道会社や自治体、観光・ツーリズム業界に対するプロモーションを多く手掛けています。

大熊
各種メディアをはじめブランディングや広告・WEB・映像制作、イベントの開催やマーケティングなど、プロモーション手法は幅広くありますが、その中でも地域を巻き込んだプロモーション戦略のご提案とプロデュースができる点が私たちの強みです。今回はまちの方々からも高く評価していただいた、西武鉄道様の事例をご紹介いたします。

寺山
西武鉄道様とは、西武鉄道沿線への観光誘致施策からお付き合いが始まりました。観光を推進する部署だけではなく、他部署とのお付き合いも増えていくにつれ、「定期収入を増やすためにどのような施策を打つべきか」という課題があることを感じるようになりました。
定期収入を増やすためには沿線に長く住んでもらうなど、定住を図る必要があります。そのためには、まちへの愛着を高めていくことが欠かせません。そこで、まちの価値を再発見し発信していくために、沿線の大学と連携する産学連携を自主提案いたしました。

大熊大熊
西武鉄道沿線には江古田という駅があり、周辺には武蔵大学や武蔵野音楽大学、日本大学芸術学部の3大学と商店街が集まっていて、「学生のまち」として知られています。加えて、音楽大学や芸術学部があるため「芸術のまち」としての価値も定着しています。その3大学に通う学生や江古田に住む方々に向けて、まちの魅力を発信していこうと提案した企画が、2019年から始まった「江古田キャンバスプロジェクト」です。

「江古田キャンバスプロジェクト」は、江古田のまち全体を1つのキャンバスに見立て、音楽やアート、カルチャーなど自由な発想・表現で彩り、人と人、人とまちをつないでいくプロジェクトです。江古田駅周辺の3大学の学生有志を中心として、江古田のまちの魅力を再発見し、その想いを表現・発信していく取り組みを行っています。

寺山
私たちは、まちの価値を認知、または再認識してもらうことが、江古田への定住につながると考えました。この「江古田キャンバスプロジェクト」は、定期券の購入増の可能性だけでなく、沿線の大学・学生、さらには商店街の方々など、沿線に関係する方々との関係性作りにも寄与する企画とし、クライアントからはこの点を非常に高く評価していただきました。

学生と一緒にまちを巻き込み
江古田ブランドの価値を発信

大熊
「江古田キャンバスプロジェクト」では、学生たちに駅構内に掲示されるポスターや車内の中吊り広告、商店街に立ててもらうフラッグなどの企画やデザインを考案してもらったり、プロモーションに使用する写真を撮影してもらったりして、一緒になって取り組んでいます。また、武蔵大学では経済学部のゼミの授業としても取り入れてもらっていて、プロモーション基礎講座としてJCDの社員が授業に参加しています。

日本大学芸術学部デザイン学科の学生がデザイン
日本大学芸術学部デザイン学科の学生がデザイン

寺山
コロナ禍前は、駅構内にピアノを設置し自由弾ける企画や、大学でのワークショップイベント、学生による取材記事の作成など、リアルなコミュニケーションに重点を置いていました。しかし、コロナ禍で大学も閉鎖してしまい、進めていたプロジェクトもいったん中止に。ですがそれを逆手にとって、江古田に明るさと元気を取り戻すため、まちを再び盛り上げようという趣旨のプロジェクトに切り替えました。

ワークショップはリモート開催へ変更。「江古田のまちを元気に」というテーマで、江古田の好きなところや応援メッセージをいただき、そこで出てきたメッセージやエールを、江古田駅の143段ある階段一段一段に装飾していきました。企画はJCDで提案しましたが、メッセージのデザインは日本大学芸術学部の学生に手掛けてもらい、今も江古田駅の階段を彩っています。

江古田駅の実際の様子
江古田駅の実際の様子

裏ミッション達成のカギは
調整力の高さと柔軟な対応力

寺山
「江古田キャンバスプロジェクト」は3大学を巻き込む形で始動し、まち全体と大学を巻き込んだイベント、そしてゼミ連携の教育プログラムも兼ねるという裏ミッションもありました。「定期収入増」というミッションを達成するための施策の中、立場が異なる学生やまちの方々と関わって裏ミッションの達成を目指すにあたって、実際に大変なことも多かったです。加えてコロナ禍になってからは、オンラインでのプロジェクト進行を余儀なくされるなど、私たちも経験したことがない出来事が多く発生したため、対応力が鍛えられましたね。

大熊
また、クライアントである西武鉄道様だけではなく、3大学の先生や学生、商店街の方々など関係者が多いため、これまで担当してきたプロモーションと比べても高い調整力が求められるプロジェクトです。しかし、苦労した分やりがいもとても大きかったですね。江古田に行くたびに手掛けた制作物を駅や街で目にすることができますし、まちの方々からもお褒めの言葉をかけていただけることもたくさんありました。プロジェクトが盛り上がるにつれて協力してくれる方も増えていき、まちに「江古田キャンバスプロジェクト」が浸透してきていることを実感しています。

寺山
中でも、特に高評価だったのが「江古田ポートレート企画」です。「素敵に気ままに暮らすまち。江古田」をテーマに、江古田のまちの方々の写真を撮影し、ポスターや動画など様々なクリエイティブに活用しました。日本大学芸術学部写真学科がポートレート撮影、武蔵野音楽大学音楽総合学科が写真を編集した動画の楽曲制作、武蔵大学経済学部経営学科が完成した制作物のプロモーション企画を担当するなど、3大学それぞれが得意分野を活かし、成功させた企画です。まちの方々にもとても喜ばれましたし、西武鉄道様の中でもここまで深くまちの方々と関わることができたプロモーションは初めてだったと評価をいただきました。

宙吊りポスターデザイン

大熊
ポートレート企画は今年も続けたいという要望があり、江古田の魅力の発掘から発信まで、学生の手で行えるようなプロジェクトが進行中です。まちのポートレート写真やオリジナル楽曲を使用した「江古田の定住施策」について、学生と一緒に企画考案を進めています。ゼロ段階から学生に考えてもらうのは今回が初めての試みなので、私たちもとても楽しみにしているんです。

寺山
一つのプロジェクトが終わるごとに学生たちには感想等をもらっているのですが、「楽しかった」「また江古田に戻ってきたい」というコメントが多くあり、クライアントだけではなくプロジェクトに参加してくれた学生たちにも良い影響を残せていることはとても嬉しいですし、この仕事の醍醐味を感じます。

これからの地域活性化に必要なのは
定住までを見据えたプロモーション

大熊
私たちのプロモーションは、観光による地域活性だけでは終わりません。地域活性よりさらに一歩踏み込んで、その地域に定住してもらうまでを視野に入れたプロモーションを行っています。JCDでは「コミュニケーション事業」を事業ドメインとし、あらゆるコミュニケーション事業を展開しています。多角的な事業を展開するJCDだからこそ、ここまで掘り下げた提案が可能なんです。

寺山
地域活性の課題においては、人口減少、高齢化、若年層の流出など、多くの問題が複雑に絡み合っているため、企業や自治体だけで解決するのは簡単ではありません。企業や自治体のノウハウ、学生がもつ柔軟なアイデアやSNSでの発信力など、それぞれの強みを活かして課題解決に取り組むことで、まちの価値が高まっていきます。
大学の特色を活かした産学連携は、西武鉄道様と同様に地域住民の定住化でお悩み自治体や企業に対しても展開が可能です。「江古田キャンバスプロジェクト」を成功モデルとして確立していき、これまでにないプロモーション戦略を打ち出しながら、他のまちでも取り組むことで地域プロモーションの支援をもっと進めていきたいと思っています。

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