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働くシニアのモチベーションと上司からの評価に関する調査

―「定年の崖」がモチベーションを揺るがす、再雇用の報酬減額幅がモチベーションと関連、上司が期待するのは「次世代への継承」、現実とのギャップが明らかに ―

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【調査結果のポイント】

■働くシニア(55歳以上・フルタイム勤務の社員)のモチベーションの現状
1. シニアのモチベーション、「定年まであと2年」で落ち込み
2. 再雇用のシニア、報酬減額が大きいほどモチベーションは低下
3. シニアのモチベーションに最も大きな相関を持つのは職場に居場所があること、部門の人間関係がよいこと
4. 上司の相談のしやすさが、シニアのモチベーションと大きな相関を持つ
  知識や能力を活かせること、感謝されることもシニア社員のモチベーションと相関
5. 高いモチベーションのシニアは「役に立っている」ことが支え、
  低いモチベーションのシニアは「報酬」が支え、
  自由記述にはモチベーションの支えとして「感謝されたとき」の記載が最多
6. シニアのモチベーションを低下させるのは単純作業/評価への不満/人間関係
  モチベーションが中~低い層は処遇への不満や疎外感などが低下の要因に
7. シニアの後悔、1位は「専門的な知識・能力を身につければよかった」28.7%、2位は「社外の人間関係を
  作ればよかった」23.2%(3つまでの複数選択による回答)
8. モチベーションが高いシニアは新しい知識を身につけ、孤立感が低く、身体・精神面で健康み
9. 役職の高いシニアほどモチベーションが高い
10. 職場で果たしている役割は「メンバーの一員」が突出、シニア本人の認識と上司の期待にギャップ
■上司から見たシニアのモチベーション
11. 上司から見たシニア、モチベーションが高い人は42.8%、課題は「成果」「柔軟性」
12. 上司から見たシニアの待遇、報酬は仕事ぶりに見合っている61.5%、低すぎる18.3%、高すぎる20.2%
  従業員数20人以上100人未満の企業では、上司の27.1%がシニアの報酬は低すぎると回答
13. 上司からの評価、「働き続けてほしい」78.8%、一方で「異動・退職したほうが良い」21.2%
  「働き続けてほしい」のは「責任を果たし」、「良い人間関係」を作っているシニア
14. 上司からシニアへの期待は「次世代への継承」、現実と期待にギャップ
15. 上司のシニア対応、成功したと感じるのは①後輩への技能継承、②敬意を示す、③経験を活かす采配、
  ④環境・処遇改善

【まとめと提言】

1. 「定年の崖」へのケアと報酬や待遇の適正化
2. 職場環境の整備と内発的モチベーション支援の両輪で相乗効果を
3. 専門性を身につけ、社外の人間関係を作る
4. 「次世代への継承」、現状に即した対策を
5. 上司の成功事例を共有し、学び合う
6. シニア以外の社員への影響を考慮する

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令和7年版『高齢社会白書』によれば、日本の65歳以上人口は3,624万人(総人口の29.3%)に上ります。 2024年の労働力人口において、55歳から64歳までが18.6%、65歳以上が13.6%。55歳以上が32.2%と、職場の約3人に1人に当たります(総務省「労働力調査」より算出)。65歳までの雇用機会の提供が義務付けられる中、組織運営や生産性向上においてシニア層の役割と活躍は今後さらに重要となります。
株式会社JTBコミュニケーションデザイン(以下、JCD)ワーク・モチベーション研究所は、一般的な「60歳以上」というシニア層のイメージにとどまらず、実際には役職定年や処遇変更、キャリアの転機が55歳頃から始まる企業も増えていることを踏まえ、本調査では「55歳以上」をシニアと定義しました。 シニア層本人およびシニア社員を部下に持つ管理職層を対象に、「働くシニアのモチベーションと上司からの評価に関する調査」を実施し、定年前後でのモチベーションや役割の変化、管理職との意識のギャップを明らかにしました。

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【調査概要】

◆調査方法:インターネットリサーチ
◆調査地域:全国
◆調査対象者:本調査:644人(事前調査5,000人から抽出)
 ■シニア本人:事前調査で、55歳以上かつフルタイム勤務をしていると回答した436人
 ・モチベーションの高さによる意識の違いを見るため高・中・低のグループがそれぞれ同程度の割合に設定
 ・年代(5歳刻み)および所属する企業の従業員規模(20~100人未満/100人~1,000人未満/1,000人以上)が
  それぞれ同数になるよう設定
 ■管理職:担当部門の中に55歳以上の社員がいると回答した管理職208人
 ・所属する企業の従業員規模(20~100人未満/100人~1,000人未満/1,000人以上)がそれぞれ同数になる
  ように設定
◆有効回答者数:本調査:644サンプル(男性:566サンプル、女性:78サンプル)
◆実施期間:2025年●月●日~●月●日

<主な調査結果>

本調査は、シニア本人を対象とした調査とシニアを部下に持つ管理職を対象とした調査の2つで構成されます。それぞれの結果を「働くシニアのモチベーションの現状」および「上司からみたシニアのモチベーション」として提示します。

■働くシニアのモチベーションの現状

1. シニアのモチベーション、「定年まであと2年」で落ち込み

事前調査として、全国の20歳から69歳までの男女を性年代別(10歳刻み)の人口構成比に即して10,000人抽出し、国内に「推し」地域(関心がある・好きな地域)があるか聞いたところ、「「推し」の地域がある」が15.2%、「どちらかと言えば「推し」の地域がある」が15.3%で、「推し」地域がある人は30.5%となりました。(図1

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以下、「推し」地域があると回答した人1,040人を対象としたアンケート回答について集計した結果を提示します。

2. 「推し」地域、きっかけは「旅行・趣味や飲食店への訪問」65.3%、「地元・住んだことがある・実家がある等」41.5%(複数選択による回答)

「推し」地域があると回答した人1,040人に、「推し」地域を知ったきっかけを聞いたところ、「旅行・趣味・飲食店などがきっかけ」が65.3%と非常に高く、次いで、「地元・実家・住んだことがあるなど」が41.5%でした。(図2

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3. 全体の43.2%が「推し」地域が居住地と同じ地方区分

「推し」地域の場所について尋ね、その結果を【地元】の人と【地元以外】の人に分けて集計しました。

居住地と同じ地方区分(北海道、東北、関東、中部、近畿、中国、四国、九州・沖縄)が「推し」地域である割合は、全体では43.2%でした。一方、【地元】の人では74.5%と、約4人に3人が同じ地方区分を「推し」としていました(図3-1)。

また、図3-2では居住地別に「推し」地域の地方区分を示しています。北海道地方と東北地方に居住する人は、同一圏内を「推し」とする割合が高く、対して関東・中部・近畿地方に居住する人は比較的分散する傾向が見られました。

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図3-2:居住地別の「推し」地域

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4. 「推し」地域、2~3ヶ月に1回以上訪問する人が38.5%*。予算は1人10,000円から50,000円が45.0%と最も多い。

「推し」地域の訪問頻度を見ると、「週に1回以上」「月に2回程度」「月に1回程度」「2~3か月に1回程度」を合わせた、「2~3か月に1回以上」は訪問する人の割合は全体の38.5%*でした。特に【地元】の人は【地元以外】の人に比べ訪問頻度が高く、約7割が「2~3ヶ月に1回以上」と回答しています。(図4-1)
また、訪問時の1人当たりの予算は、「10,000円以上」~「50,000円未満」が、全体の45.0%を占めボリュームゾーンでした。一方、【地元】の人は【地元以外】の人に比べて予算が低く、「1万円未満」の割合が49.3%*と約半数にのぼりました。(図4-2)。
*四捨五入による数値表記をしているため単純な足し算の数値とは異なります。
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5, 「推し」歴は、11年以上が50.7%*を占める。

「推し」地域の推し歴は、「11年以上」を合計すると50.7%*と半数を超え、「21年以上」も32.8%を占めました。「推し」地域が【地元】の人は【地元以外】に比べ押し歴が長い割合が高く、「21年以上」が6割に達しました(図5)。
*四捨五入による数値表記をしているため単純な足し算の数値とは異なります。

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6, 「推し」地域での過ごし方は、「観光地・施設訪問」56.2%、「散策」54.6%、「カフェ・飲食店」42.3%が上位。(複数選択による回答)

「推し」地域での過ごし方を複数選択式で聞いたところ、「観光地や施設など特定の場所を訪問する」「街や自然を散策して楽しむ」が各5割超で上位でした。以下、「カフェや飲食店で過ごす」「ショッピング」が4割前後でした。また、「推し」地域が【地元】の人では「家族や友人の家で過ごす」、【地元以外】の人は「観光地や施設など特定の場所を訪問する」が最も高い結果となりました(図6)。

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7. 「推し」地域への訪問、「1人」派が約4割、「誰かと一緒に行く」派が約6割。

「推し」地域への訪問は、「一人で行く」は37.8%、「誰かと一緒に行く」は62.2%でした。同行者は「家族・親戚」が37.1%で最も多く、以下、「恋人・パートナー」「友人・知人」でした。また、「推し」地域が【地元】の人は【地元以外】の人に比べ、「一人で行く」割合がやや高い傾向でした(図7)。

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■「推し」地域の魅力:
 好きな理由・行きたくなる時・愛着エピソード

8. 「推し」地域が好きな理由、「自然・リラックスなど」71.2%、次いで「人や場所が好き」49.8%。(複数選択による回答)

「推し」地域が好きな理由を聞いたところ、「自然を楽しむことができるから」「日常から離れてリフレッシュ、リラックスできるから」などの【自然・リラックス】が71.2%で最多の回答となりました。次いで、「お店の人や地元の人に好感が持てるから」「好きな店や場所があるから」などの【人・場所】が49.8%でした(図8)。「推し」地域が愛されるのは、自然・リラックス、人や場所への好感が大きいことがわかります。

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9.「推し」地域に行きたくなる理由は、「日常から離れたい」46.8%、「体や心が疲れたとき」39.7%、「定期的に行く」32.8%。配偶者・パートナー/子供と同居の場合は家族の都合が優先。(複数選択による回答)

「推し」地域に行きたくなる理由を複数回答選択式で聞いたところ、「日常から離れたい、離れたほうがいいと感じたとき」が46.8%で最も多く、次いで「体や心が疲れたとき」が39.7%、「定期的に行く」が32.8%でした。同居家族別で見ると、【一人暮らし(ご自身のみ)】や【親】と同居するケースでは「日常から離れたい、離れたほうがいいと感じたとき」が他層より高い傾向でした。一方、【配偶者・パートナー】【子ども】の場合は「同行する人の都合が合ったとき」が他層よりも高くなっており、一人暮らしや親と同居している人の方が、自分の都合を優先して訪問できる(融通が利く)様子がうかがえます(図9)。

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10.「推し」地域に愛着が増したエピソードは、食べ物がおいしいなど飲食店にまつわるものが24.5%、癒される・新しい発見など気持ちに関わるものが18.9%、空気・景色がきれいなど自然に関するものが15.9%で上位。(自由記述回答)

「推し」地域に愛着が増したエピソードを自由記述式で聞き、回答を分析したところ、「飲食店」「気持ち」「自然」にまつわるものが上位に挙がりました。具体的には、「久しぶりに帰省した時に、お気に入りの飲食店に行っていつも頼む料理を食べた時にコレコレとなる」「久々に行っても景色が以前のままで、落ち着くし、癒される」「春に、川沿いに桜が咲きほこるすばらしい眺めが、最高です。毎年、夫婦で散歩が、楽しみです。」といったエピソードが挙がりました。(図10) 。

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11.「推し」地域のインフルエンサー活動も。話題にする75.6%、訪問を勧める60.1%。

「推し」地域のことを周囲にどう話しているかなどを聞いたところ、「「推し」地域のことを話題にしている」に肯定的な回答をした人が75.6%、「周りの人に「推し」地域に訪問することを勧めている」が60.1%と半数以上の人が周囲の人に話したり訪問を勧めたりしていることがわかりました。また、「推し」地域が【地元】の人は【地元以外】の人に比べ総じてスコアが高く、周囲への活動量が多い傾向が見られました。特に、「一緒に「推し」地域に訪問するよう誘っている」「「推し」地域についてSNSで投稿することがある」では両者の差が顕著でした(図11)

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12.「推し」地域、「もっと訪問頻度を増やしたい」45.9%、「別の「推し」地域ができるかも」34.3%、「周辺にも行動を広げたい」31.4%。

「推し」地域に関する今後の可能性について聞いたところ、「「推し」地域に行く回数・頻度を増やしたい」に肯定的な回答をした人は45.9%、「今の「推し」地域のほかにも、別の「推し」地域ができる可能性がある」は34.3%、「「推し」地域だけでなく、その周辺にも行動を広げたい」が31.4%でした。また、「貢献できたらいいなと思う」23.4%、「将来住んでみたい」22.1%の回答がありました。 「推し」地域が【地元以外】の人は【地元】の人よりも「推し」地域に行く回数・頻度を増やしたい」「別の「推し」地域ができる可能性がある」「「推し」地域だけでなく、その周辺にも行動を広げたい」の回答が多くを占めました。一方【地元】の人は、「「推し」地域に自分なりの"居場所"がほしい」「「推し」地域に自分も何か貢献できたらいいなと思う」「「推し」地域での人との出会いやつながりをもっと増やしたい」の割合が【地元以外】の人よりも高くなりました(図12)。

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13.「推し」地域、あったらいいイベント「グルメフェス」43.4%、伝統行事・お祭り35.7%。(複数選択による回答)

どのようなイベントが行われていたら、その地域に行きたいと思うかを複数選択式で聞いたところ、「地元の食材や料理を楽しめるグルメフェス」が43.4%、次いで「伝統行事・お祭り」が35.7%、「季節の花や自然を楽しむイベント」が29.7%と続きました。「推し」地域が【地元】の人は【地元以外】の人に比べ、「アニメ・ドラマ・映画などロケ地を活かしたイベントや聖地巡礼企画」「地域の音楽フェス・ライブイベント」「地域になにかしらの貢献ができるイベント」の割合が高い結果でした。

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【調査対象者について】

事前調査:全国の20歳から69歳までの男女10,000人にアンケート調査を実施。本調査:全国の「推し」地域のある20歳から69歳までの男女1,040人にアンケート調査を実施。
対象者を抽出するために、事前調査を実施し、「推し」地域のある方を抽出した。

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事前調査:全国の20歳から69歳までの男女10,000人にアンケート調査を実施。本調査:全国の「推し」地域のある20歳から69歳までの男女1,040人にアンケート調査を実施。
対象者を抽出するために、事前調査を実施し、「推し」地域のある方を抽出した。


事前調査 now-250924-wmi_survey_preliminary_investigation.jpg
本調査 now-250924-wmi_survey_main_investigation.jpg

<まとめと提言>

地域間連携で「推し」地域を広げる
「推し」への思いを貢献活動や居住につなげる

1. 訪問時、居住時をきっかけに長く続く「推し」地域になる

「推し」地域を知るきっかけとしては、旅行・趣味・飲食店が最も多く、次いで地元・実家・住んだことがあるが続きました。これは地域側から見ると、旅行や趣味などで訪問した人、あるいは一度でも住んだ経験のある人がそのまま「推し」として地域に関心と好意を持ってくれているということを意味します。

また、半数の人は「推し」歴が11年を超え、23か月に1回以上は訪問する人が38.5%、予算は1人当たり10,000円から50,000円が45.0%という結果から、訪問や居住をきっかけに、息の長いつながりが生まれ、頻回の訪問や経済的な効果につながっていることがうかがえます。訪問時や居住時に良い思い出が作れるよう、地域の整備や環境づくりはもちろんのこと、かつて訪問した人や、居住した人を対象とした継続的な発信も検討の余地があると考えられます。

2. 気軽に何度も、ときどき豪華に

「推し」地域が【地元】の人は訪問頻度が高く、1人当たりの予算は【地元以外】の人よりも低めであることがわかりました。このことから、何度も気軽に訪問する人と、頻度はやや少なくても一定の予算をかけて訪問する人の両方が楽しめるような工夫があると、「推し」が継続しやすいと思われます。飲食店や観光施設に会員制度やサブスクのようなシステムを導入したり、あるいはプレミアムな選択肢もあると、選択の幅が広がります。

3. 非日常体験と癒し効果で愛着を深める

「推し」地域に行きたくなる理由は、「日常から離れたい」が46.8%、「体や心が疲れたとき」が39.7%と上位に上がりました。「推し」地域は癒しの効果があることがうかがえます。「推し」地域が好きな理由は「自然・リラックスなど」71.2%、次いで「人や場所が好き」49.8%でした。

「推し」地域では、自然がありリラックスできる環境で非日常を体験できるような場や、疲れが癒される施設や景観が、次回の訪問につながると考えられます。こうした情報を多くの人に向けて発信することで、すでに「推し」ている人やまだ訪問経験のない人にもアピールすることになると思われます。

4. 1人でも複数でも楽しめる「推し」に

「推し」地域訪問は、「1人」が37.8%、「誰かと一緒に行く」が62.2%でした。地域では、1人でも家族など複数人でも楽しめるような工夫が必要となるでしょう。施設や設備を整えることと同時に、「1人でも」「複数でも」楽しめる、歓迎することをアピールすることも重要です。

5. 地域間連携で「推し」地域を広げ、相乗効果を

「今の「推し」地域のほかにも、別の「推し」地域ができる可能性がある」34.3%、「「推し」地域だけでなく、その周辺にも行動を広げたい」31.4%3人に1人が、「推し」地域を広げていくことに積極的であることがわかりました。これは、現在「推し」地域があってそこに訪問している人たちは、別の地域を新たに「推し」地域としたり、現在の「推し」地域の周辺の地域にも訪問したりする可能性があることを示しています。このような事を踏まえ、地域としては周辺地域や他の地域と連携することは非常に有意義と考えられます。例えば、同じ鉄道沿線の地域と連携して魅力発信をしたり、あるいは食材や祭り、アニメの聖地などで関連のある魅力を持つ離れた地域同士が連携して宣伝やPRをする、といったことが考えられます。地域のイベントとして、「地元の食材や料理を楽しめるグルメフェス」、「伝統行事・お祭り」、「季節の花や自然を楽しむイベント」は行きたくなるという回答が多かったことから、こうしたイベントの告知を中心に様々な情報提供が求められます。

6. インフルエンサー活動の支援

地域を「推す」人はインフルエンサーとしての活動も活発で、「話題にする」75.6%、「訪問を勧める」60.1%、また今後は「もっと訪問頻度を増やしたい」45.9%の回答があり、大きなポテンシャルを持つことがわかります。

地域を「推す」人が話題にしやすい「シーン」や「物語」があると、会話がはずんだり、訪問を勧めたり、SNS投稿をしたりすることにつながる可能性があります。そうしたシーンや物語を適切な宣伝やPRによって多くの人に知ってもらったり、あるいは景観を見やすくしたり、由来や歴史を掲示したり、また飲食店や施設での地元のかたがたとの交流を促進したりすることはインフルエンサー活動を後押しするでしょう。

7.  「推し」への思いを貢献活動や居住につなげる

「「推し」地域に自分なりの"居場所"がほしい」と回答をした人は24.3%、「「推し」地域に自分も何か貢献できたらいいなと思う」では23.4%でした。これは、「推し」地域から非日常体験や癒し効果を受け取るだけではなく、「推し」地域に居場所を持ち、貢献したいという能動的なモチベーションを持つ人がいることを意味します。「推し」地域を持つ人の中でも、より強い思いを持つ積極的なグループといえるでしょう。こうしたモチベーションや思いに応える取り組みは検討に値するでしょう。例えば、「推し」てくれる人の居場所となるような場づくりやコミュニティづくり、貢献活動としてできる地域のボランティアや趣味の集まりなどを設定したり幅広くPRしたりすることは有意義であると思われます。

さらに、「推し」地域に「将来住んでみたい」という項目に肯定的な回答をした人は22.1%でした。上記のような取り組みを継続することは、「推し」ている人が将来「住む」人になる可能性を高めることにもなるでしょう。

「推し」地域に対して行われている定期的で継続的な訪問やインフルエンサー活動、そして今後の可能性などを考え合わせると、「推し」ている人たちは強力な関係人口であることがわかります。彼らの「もっと訪問頻度を増やしたい」「何か貢献したい」「将来住んでみたい」というモチベーションをしっかり受けとめ、支援していくことは地域の活性化の大きな鍵といえるでしょう。

 

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