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デジタルとホスピタリティでつくるこれからの観光案内所とは

リモート接客、無人化で変わる
観光案内所の未来

ビジネスの世界ではその重要性が広く知られているデジタル化。観光案内の事業においてもデジタルを活用することによる業務の効率化や旅行者の満足度向上が期待できます。前回に引き続き観光案内所プロデューサーであるJCDエリアマネジメント部の中澤に、デジタルの活用によって観光案内所における課題をどう解決していくのか、デジタル活用がもたらす観光案内所の未来について語ってもらいました。

観光案内所が抱える課題と、
解決の糸口となるリモート接客による観光案内

観光案内所として抱えている課題はいくつかありますが、その一つが「人」の課題です。現在、多言語に対応できるコンシェルジュが観光案内所に常駐してご案内に当たっていますが、今後労働人口が減少していく中で、すべての観光案内所で多言語に対応可能なコンシェルジュを常時配置することはより難しくなることが予想されます。
また、旅行者の来訪時間はある案内所では混雑している時間帯でも、他の案内所では、全く訪れていないということもあり、なんとか効率的な配置ができないか、という視点での課題もあります。

このような課題解決のひとつとして、    デジタルを活用したリモート接客による観光案内があります。旅行者のスマートフォンやパソコンなどからインターネットを通じて繋ぎ、コンシェルジュがご案内を行います。この方法であれば、コンシェルジュは必ずしも観光案内所に常駐しなくてもご案内ができるため、「人」の課題解決にも繋がります。また、旅行者にとっても困りごとがあればスマートフォンを用いて相談することができるので、場所を選ばずに案内を受けることが可能となります。

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実際、JCDが受託運営を行っている都内 の観光案内所でも、リモート接客による観光地や観光ルートの紹介などを行っています。日本語、英語、中国語、韓国語の4言語に対応していて、アバターを通して会話をしたり、チャット機能を使って問い合わせのあった観光地のホームページリンクやデジタルパンフレットを提供することもできます。インターネット環境さえあれば、世界中のどこからでも利用できるので、出発前に現地の情報を手に入れたいときや、旅行中に外出先から観光案内を受けたいときにも便利です。旅行者は旅行中の外出先からコンタクトできるため、観光案内所でのサポートを受けた後も引き続き相談が可能になりました。これにより、旅行者が目的地にたどり着けたのか、ご提案したプランは問題なくお楽しみいただけているのか、といった情報を入手できることで効果検証の機会にもなり、今後のサービスの向上にも繋がると考えています。

ただし、リモート接客にはいくつかの課題もあります。対面接客では観光者とコンシェルジュが直接コミュニケーションを取りながら、嗜好やニーズを把握し、最適な提案を行うことができますが、オンラインでは言語コミュニケーションが制約されるため、信頼関係の築き方や観光者との距離を感じさせないようなサポート体制が重要です。観光者の不安感を軽減するために、より充実した情報提供とサポートを提供していく必要があります。

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「観光案内所があるから相談してみよう」といった情報拠点としての機能はリアルならではですし、これからの観光案内所はデジタルとリアル、それぞれの強みを活かして共存していくカタチとなっていくと考えています。 

旅行者動向の把握と
データ活用の可能性

観光案内所には、年齢・国籍問わず、様々な嗜好 を持った旅行者が訪れるため、多くの旅行者のデータが蓄積されていきます。リモート接客では、旅行者のニーズと案内した観光情報のデータベース化がしやすく、そのデータを活用すればサービス向上・効率化や新しいコンテンツ開発にも繋げやすくなっていきます。そして、向上したサービスを提供することで、さらに人と情報が集まり、またサービスがよりよいものになっていくという好循環が生まれていきます。

観光業界は、SNSでの流行のようなポジティブなものからパンデミックのようなネガティブなものまで様々な外部環境の変化に影響を受けやすい業界です。特に観光案内所は直接旅行者と接する機会が多いため、社会情勢やメディアの情報発信などの反応を、最前線で捉えることができる場所です。その観光案内所を起点に集めたデータを、旅行者だけでなく地域や地場産業、そして観光業界全体に役立てていきたいです。そして、日本全体の観光の魅力向上にも繋げていくことを目指し、これからも観光案内所のプロデュースに様々なカタチで携わっていきたいと思っています。

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