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観光案内所のおもてなしを多角的にプロデュース

観光案内所は「観光案内」だけに終わらない。
企業や自治体の発信拠点としての役割を通じてできること。

主に自治体をクライアントとし、観光案内所の開設・企画運営・管理を行っているエリアマネジメント事業部の大町。外国人旅行者はもとより、日本人も利用する観光案内所の特性に着目し、地域・企業コラボによる情報発信スポットとしての活用を試みる。JTBコミュニケーションデザインが手がける観光案内所の"おもてなし"スタイルとは?

観光案内所の開設は、リサーチと事業計画から

私が所属する部では、文字どおり「エリアマネジメント」に特化し、施設運営から戦略的集客のアプローチまで行っています。その中で私は、観光案内所の運営と東京観光案内窓口運営事務局の業務を担当しています。具体的には、営業、広報、必要な人員の採用と適材適所の配置、基本研修、日々の業務管理、公共施設として最重要課題である事故防止対策、CSRのチェックなどです。

東京観光案内窓口運営事務局では都内150ヶ所程度ある観光案内所の支援を行っており、そのうち9施設は運営も当社で行っています。たとえば、丸の内にある「東京シティアイ」や2016年にオープンした「中央区観光情報センター」などは、コンセプト設計から手がけさせていただきました。特に、中央区観光情報センターについては、私も立ち上げから関わりました。最初の1年間は、事業主である中央区の委託を受け、商業施設の免税カウンターや、国内各地にある観光案内所を30ヶ所ほど回ったほか、ロンドン、ニューヨーク、バンコクなど海外7ヶ国の観光案内所を視察し、開設に向けてのマーケティング調査を行い報告しました。

観光案内所といっても、その役割はさまざまで、案内だけを行う施設もあれば、地域経済の活性化を目的にしているところもあります。それぞれの観光案内所で、担当の方にお会いして、特徴や課題などをヒアリングしてきました。リサーチに1年ほどかけ、そのうえで施設の概要を策定し、人員配置、営業時間、経費、集客のためのコンテンツなど事業計画を練り、施設設計を進めました。

大町さん

よりマニアックでディープになってきた、訪日観光客のお客様へお応えするために

観光案内所の役割は、ここ数年のインバウンドの拡大で、外国人ツーリストに対する"おもてなし"が重視されています。ひとくくりにインバウンドといっても、最近は一人ひとりのニーズが多様化していますから、観光案内所のスタッフには、自分の引き出しをいかに多く持っているかということが求められています。ツーリストが事前に調べてくる情報は、情報源がSNSだったり、日本観光を経験した友だちの話だったりするので、日本人でも知らないような非常にマニアックでディープな場所であることもあります。しかも、情報そのものが曖昧で、「仮面ライダーベルトはどこで買えるか?」といった日本人でもすぐに答えられないような質問をしてくる方もいらっしゃいます。

東京は、観光における経験値が高いこともあり、諸外国や国内の他地域とくらべても、サービスの質は高いと思います。私自身が接客の指導をするわけではないのですが、この施設は何のためにあって、どういう人のためにサービスを提供していくのかといった根本的な部分を研修で現場のスタッフに理解してもらうように努めています。

また、時間を見つけては、東京都の主要な5ヶ所の観光情報センターなど、当社が受託している観光案内所をまわって、現場の声を拾うようにしています。そうすることで、短期間のうちに変化するインバウンドの状況を肌で感じることができます。そして、それがフィードバックされて、新たなサービスを考える材料にもなるのです。観光案内所の開設から企画・運営において、他社より何歩でもリードしていきたいという気持ちで業務に携わっています。

中央区観光情報センター
中央区観光情報センター

観光案内所は、企業や自治体の発信拠点になっていく

かつて、観光案内所というと、旅行者の質問に答えるだけという受け身のイメージがありましたが、今では街の魅力を外に向けて発信するという役割もあります。街のプロモーションを行政や地元の人たちと一緒に取り組み、たとえば観光案内所がテナントとして入っている施設と共同してイベントを企画するなど、単なる「観光案内」に留まらず、地域活性としての役目も果たすようになってきています。

一方で、集まってくる人々の幅も広がりました。たとえば、中央区観光情報センターの場合は、外国人旅行者のみならず、区民や区内の企業にお勤めの方なども、週末のイベント情報収集などで立ち寄ります。さまざまな人が集まる場を、企業の製品プロモーションやテスト・マーケティングの場として活用すると、企業にも自治体にもメリットがあるはずです。実際、東京シティアイではイベントスペースの利用が年々増加しており、2015年には某メーカー様の翻訳機の実用化に向けた実証実験も行ったことがあります。インバウンド市場を攻めたい企業様にとっても、世界中から人が集まる観光案内所は、エリア別・文化別の反響が見られ、情報も拡散されやすいので、PR効果は大きいと思います。

2020年に向けて、日本・東京にはさらに多くの旅行者が訪れ、観光案内機能の拡充が求められます。しかし、大規模な施設を何百ヶ所も用意するのは難しいのが現状です。そこで、コンビニや外国人が気軽に訪れるスポットなどに、簡素化された観光案内機能を備えれば、目標は達成されるはずですし、街全体として観光案内の機能が強化されるのではと思います。このようなライトスペックの案内機能をもたせたいと考えている企業のお手伝いや、観光案内所を活用したシティプロモーションなどのプロデュースにも着目していきたいと思っています。

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